平成21年度における文部科学省の「超小型衛星研究開発事業」の採択に基づき小型望遠観測器のユニット開発プロジェクト<S.T.O.U.T>が始動しました。 口径20cm程度の望遠鏡をH2Aロケットの相乗り衛星に搭載することを目指し、紫外線から可視光、さらには近赤外線領域の波長での地球観測を行います。
また、この望遠鏡をユニット構造化することによって、量産可能な望遠観測システムとすることを目指します。
<S.T.O.U.T>のねらい
地球観測サミットで提案された以下9項目の観測課題を計測。
- (1)災害
- (2)健康
- (3)エネルギー
- (4)気候
- (5)水
- (6)気象
- (7)生態系
- (8)農業
- (9)生物多様性
地域の産学連携による独自開発
地域の蓄積された技術を宇宙開発に活かすとともに、新たな産業を創出。
開発に必要とする産業技術
- (1)耐宇宙環境光学観測素子・回路技術
- (2)耐振動性小型軽量筐体技術
- (3)データ解析ソフト開発
- (4)データ応用技術
- (5)宇宙環境に対応した新素材開発技術(軽量筐体材料、断熱構造材、放熱構造材など)
- (6)新しい宇宙用光学材料の開発
小型望遠観測ユニットが拓く可能性
エビアンG8サミットで提唱された「地球環境サミット」。その国際的な取り組みは”全球地球観測システム(=GEOSS)の10年実施計画”として承認されました。わが国においても”科学技術の力を最大限に活用した地球観測の推進と国際的な貢献”を掲げ、人工衛星などによる統合的な地球観測網の構築を推進中です。
このような背景から、文部科学省の平成21年度超小型衛星研究開発事業に採択され、早期に打ち上げ可能な「小型望遠観測ユニット」の開発が始動しました。
大きさが50cm立方程度の超小型でありながら、地球の環境や気象観測などのさまざまなデータ提供を可能にするために必要な技術…昔から”モノづくり”の気風あふれる浜松地域の産学が連携し、数年後には相乗り衛星として打ち上げを目指します。
そこで収集した観測データは地球の将来に有益であることはもちろん、さまざま情報を共有することで新たなビジネスチャンスのすそ野を広げると確信しています。
情報の共有化により宇宙情報ビジネスを拡大
当プロジェクトではまず、市販品を機器のベースとした望遠装置のフライトモデルを作り上げます。望遠鏡本体や各種画像装置の小型化はもちろんのこと、構造歪みによる画像のゆがみ補正などを踏まえた仕様は以下のとおりです。
- ・直径200mmの開口を有する反射望遠鏡を用い、2つ以上の観測カメラを搭載
- ・光学的切り替え部にデフォーマブルミラーを用い、波画補正を行いながら波長における画像観測を可能とする観測器を開発
- ・200mmφ×400mmの円筒に内蔵。重量9kg以下
- ・400kmの低軌道から5mの空間分解能
- ・波長帯域:紫外線、可視光、近赤外線

- ・機器のベースは市販品
- ・筐体:ユニット方式の形状
- ・通信データ:SpaceWireなどによる汎用出力方式を採用
- ・デフォーマブルミラー:本ミッション内に搭載したマイクロコンピュータ制御(スタート信号は母衛星の衛星管理システムからの指令による)
望遠観測器をユニット化することで映像データの仕様を共通化し、そのデータ転送系を宇宙衛星用汎用装置によって行い公開することで、より多くの研究者・企業が利用可能なフォーマットへと発展することでしょう。
お問い合わせ先
光産業創成大学院大学 広報委員長 天野雅貴技術担当教員 瀧口義浩
〒 431-1202 静岡県浜松市西区呉松町1955-1
TEL:053-484-2501 FAX:053-487-3012 Email:info@gpi.ac.jp

