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観光業と光のコラボレーション 湖を活用した躍動感あふれる観光コンテンツを発信 オフィスナッツ株式会社


オフィスナッツ株式会社 オーナー 山内秀恭さん(13期生)

Profile  
ウエイクボードやスキューバダイビングなど多彩な趣味を持つ。
浜名湖の特徴的な地形や大自然を隅々まで堪能できるウォータードライビングサービスを提供。
2017年光産業創成大学院大学入学。

浜松市北区三ケ日町大崎266-5 TEL 053-401-1595 https://www.office-nats.com/

■浜名湖がとりもつ大学との縁

 光産業創成大学院大学は風光明媚な奥浜名湖に立地し、近隣にはウォータースポーツや釣りを楽しむ人が多く訪れる。近年は近くの舘山寺温泉を目指して中国などからの観光客も多い。この浜名湖の魅力をさらに広く発信していこうというのが山内さん率いるオフィスナッツ(株)だ。
 「浜名湖の地形的な魅力はとても大きいのです。マリンレジャーという観点からすれば海も人気が高いのですが、波が大きくて船がつけられなかったりして使い勝手が悪い。それに対して浜名湖は広さも適度で水面も安定しています」と山内さん。湖でいえば琵琶湖もあるし、波が穏やかな内海であれば瀬戸内海もある。しかし「20~30分のクルージングで変化のある景色が見られ、狭すぎず、広すぎずの適度な大きさで言えば、浜名湖が一番」なのだという。
 山内さんが光産業創成大学院大学に入学したのは2017年4月。入学の動機は「観光地としての浜名湖の魅力と効果的な活用方法を学術的な観点から検討し、観光サービスに反映していきたい」ということだった。  
 「浜名湖畔に立つ施設やレストランは桟橋を常設しているところが多いのです。歴史をさかのぼると『舟渡し』という職業があったらしく、そういう文化のある街だったらしいのですね。この資産を活用して新しい観光コンテンツを考えれば、ビジネス的に成立するのではと考えています」。

■観光業×光で新たな観光コンテンツが誕生

山内秀恭さん

 観光産業だけを見ていたら、「光」を標榜する本学を選ぶ理由は見つからない。しかし観光と光の関係を山内さんはこんな風にとらえている。「『観光』の意味は『光』を『観る』。一説によると、離れた土地に行って自分の出身地にはない『新しい』ものを見つけて持って帰ることを『観光』と呼ぶそうです」。したがって光と観光は密接にかかわっているという理屈だが、山内さんにはもう一つ本学を選んだ理由があった。それは、「浜名湖も光技術も浜松を代表するもの。この2つを結び付ければ、何か新しいことができるかもしれない」という直感だった。そしてこの直感はいくつかの具体的な構想として形を現し始めている。
 「たとえば現在やっている浜名湖クルージング(ウォータードライビング)のサービスに、光技術を使った新しいコンテンツを付け加えることを考えています。今年の5月からはクルージング中にドローンを飛ばして、湖上からボートを俯瞰する映像をお客様のゴーグルに映し出すサービスを始める予定です。ボートの躍動感にVR(バーチャルリアリティ)の視覚的体験を加えて、浜名湖ならではの新しいコンテンツが提供
できるはずです」
 ボートのビジネスは春~夏の半年に集中する。年間通してのビジネスを検討するうえでも光技術は助けになるという。「たとえば浜名湖に停留する船舶のメンテナンスビジネスなども考えられます。船舶に付着するフジツボなどの海生生物がボートの燃費に悪影響を与えると問題になっているのですが、これをレーザーで除去する技術が開発できれば、浜名湖だけでなく全世界に広がるビジネスになるはずです」。
  当面は浜名湖の新しい魅力づくりとその発信に尽力するという山内さん。観光と光という今までになかったコラボレーションが生み出す次の展開が楽しみだ。

指導教員からのメッセージ

増田靖教授

ウォータードライビングで浜松観光の救世主に⁉

 山内さんは、これまで印刷業、イベント企画業、飲食店を営んできた起業家です。浜名湖の活性化ために新たに舟運ビジネスを始めるにあたり、私の研究室を訪ねてきました。以前から光技術に強い関心を持っていたそうで、観光と光技術を繋げたビジネスを構築したいと熱い想いを語ってくれました。山内さんは非常に発想が豊かで行動力があり、単なる舟運ではなく、船上での食事やドローンによる空中撮影などのサービスを加えたウォータードライビングという新しいビジネスを始めました。山内さんの行動様式は、成功した起業家の行動分析から見出されたエフェクチュエーション(実効理論)の行動原則に即しています。
 近い将来、浜松観光の救世主になるかもしれません。大いに期待しています。
2018年4月掲載