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6年間で新規事業を立ち上げ、売上を伸ばす。その為に必要な技術、知識、人脈を手に入れる。 株式会社オレンジアーチ


株式会社オレンジアーチ 代表取締役 本山 功さん

Profile  
ITエンジニアを経て2008年に株式会社オレンジアーチを設立。官公庁や金融機関、大手メーカー向けのソフト開発を手掛けている。2016年、新たな事業展開を目指して光産業創成大学院大学入学。障碍者や介護を必要とする方向けのコミュニケーション支援システムの開発を目指している。

株式会社オレンジアーチ 東京都足立区千住1-11-2 カーニープレイス千住ビル7階
TEL.03-5284-8687  http://www.orangearch.co.jp

■リーマンショックでチャンスを掴む

本山功さん(本学在学生)

 本山さんのキャリアは多彩だ。新潟県に生まれ、サッカーとパソコンに明け暮れる子供時代を経て上京、大手システム会社に就職。そこでIT業界の階層構造を知り、この状況に一石を投じる必要を強く感じた。チャンスが訪れたのは、2008年のリーマンショックの時。開発案件激減の影響を受けて、多くの優秀なITエンジニアが雇用を失ったのを見ると、「今なら優秀なエンジニアを
集められる」と起業を決意した。
 「起業から3年で100名のエンジニアを集め、会社の母体を作りました」という本山さん。不景気のさなかでこの規模の雇用を生み出せたのは、業界の常識を超える独自のビジネスモデルがあったからだ。それは「有能なコンサルタントを育て、システム開発の上流工程で働ける人材を増やし、大規模プロジェクトの運営を担わせる」というもの。IT業界は大手ベンダーの下に下請けがぶら下がる構造で、現場で働くエンジニアは顧客との直接取引が難しい。下流工程に行けば行くほど利益率は下がり、エンジニアは疲弊するばかりだ。
 これに対して本山さんは、大規模な開発案件プロジェクトにコンサルタントやディレクターを派遣し、人材確保やスケジュール管理などの全般を管理するビジネスモデルを開発した。このビジネスモデルの鍵を握るのが、開発の上流工程でディレクター兼エンジニアとして動けるマルチな人材。それを100人単位で集められたのもリーマンショックに端を発する不景気の波が押し寄せた
からだった。

■入学を決意した2つの理由

大学のお花見BBQで同級生と

 そんな本山さんが光産業創成大学院大学に入学を決めたのは、起業して8年たった頃。そこには2つの理由があった。「入学時の当社の売上は11億、社員は124名。もっと会社を発展させたいと考えるとM&AやIPOも視野に入れる必要がありました。私はエンジニア出身ですからこうした方面の知識がなく、専門家の言うことを一方的に信じるしかありません。それで、専門家と対等に話せるだけの知識を身に付けたいと考えたのです」。会社の事業展開を進めるうえでも、本学とかかわりを持つことには重要な意味があった。「当社は受託やコンサル業務が主体で、自社ブランドの商品を持っていません。自社開発品を作りたいという願いは創業時からあり、社内に研究開発部門を作ったのですが思うように進んでいなかったのです」と語る。
 実は本山さん率いるオレンジアーチ社では、過去に他大学との産学連携を通して、画像処理に関わるコア技術の深化を試みたことがあった。ところが「産」と「学」の優先順位がかみ合わず、自社事業を発展させるという意味では今一歩の感が免れ得なかった。
 「本学では自社の研究テーマが最優先されることに加え、先生方が全員で研究をバックアップしてくれます。また先生方の多方面の人間関係を活用させていただけるのも非常に大きなメリットと感じています」という。
 この先の本山さんの目標を尋ねると「本学での研究を通して、在学中の6年間で新規事業を立ち上げ、世の中に広げていきたいと思っています。そのためにも県内企業と強いつながりを作っていきたい」との答え。独自のビジネスモデルに自社ブランドのサービスを加えてさ
らなる発展を目指す起業家のオーラが感じられた。

指導教員からのメッセージ

行動力と素晴らしい経営マインドを持つ人 江田英雄 教授

 本山さんの経営するオレンジアーチ社は、北千住にある。北千住は江戸時代から交通の要所であり、「江戸四宿」のひとつだった。日本橋を起点とした五街道の最初の宿場町が、東海道の品川宿、甲州街道の内藤新宿、中山道の板橋宿、日光・奥州道中の千住宿であった。現在北千住へはJRの上野東京ラインを使って東京駅から乗り換えせずに20分くらいで行くことができる。北千住に着いて、にぎやかな駅前通りをまっすぐ進み、国道4号線を左に曲がってちょっと先、駅から歩いて10分くらいである。街の活気と交通の便の良さには驚いた。社内はまるで研究室、それも、おしゃれな研究室の雰囲気があった。オレンジアーチ社は、日経BP社から出版された「日本のベストベンチャー25社」、東京都産業労働局の「東京カイシャハッケン伝」、日経ビジネスのコラム「日本人の生き方を変える起業家たち」などにも掲載される注目のベンチャーである。このたび、2017年3月まで続いたVIPSプロジェクト講師のご縁から浜松に来ていただくこととなった。本山さんは、社員約150名をかかえる現役の社長であり、素晴らしい経営マインドと人をひきつける人柄を持っている。その要望に応えるべく、我々も気が引き締まる想いである。
2017年11月掲載