准教授 花山 良平

花山 良平
Ryouhei Hanayama
光で測る、光で探る
准教授 / 博士(工学)東京大学

専門分野

  • 光計測
  • 光システム工学
  • 生産工学・ものづくり
  • 光学部品産業
  • 保守・保全検査

対応事項

  • 共同研究
  • 技術相談(光干渉計測・光精密計測)

メッセージ

「光で測る・光で探る」で新しい産業の創成に共に取り組みましょう。

体の表面の微細振動を測定するスペックル干渉計システム

レーザスペックルを活用した精密計測技術

机や壁など身の回りの物にレーザ光を当てると、光が当たった部分で光の粒々がギラギラと光る様子が見えます。これはレーザスペックルと呼ばれる現象で、一見するとランダムに光っているだけの様に見えますが、実はレーザ光とレーザ光が当たった面の微小な凹凸からなる、因果律に則った現象です。この現象に対し、光干渉計測技術や画像計測技術を応用することで、表面粗さ、表面の移動・変形などの情報を取り出すことが可能となります。どのような面にでも観測され、活用範囲の広い技術です。
身体表面振動メータ

スペックル干渉による身体表面振動メータ

このレーザスペックルを身体表面の微細な振動の計測への応用を目指した身体表面振動メータを開発しました。この装置を用いて例えば脈拍による手首の表皮の振動を計測することに成功しました。画像計測技術により、血流量を計測し、非接触で脈拍を計測する技術が良く見られますが、開発した技術はこれと異なり、表皮の振動として脈を捉えます。この技術を用いて、人の感性などの非接触モニタリング技術の他、非接触の新たな診断技術への発展を目指しています。
脈拍による身体表面振動の計測

光の波としての性質を利用した超精密計測技術(光干渉計測)

光の波を基準にした計測:波長走査干渉計

光は電波などと同じ波(電磁波)です。1mmの千分の1から1万分の1程度の非常に小さな波長の波が無限に正確に繰り返されており、これを目盛りに見立てると非常に精密なものさしとなり、ナノメートル(1mmの百万分の1)の精度の測定ができます。“光のものさし”を実現する技術が光干渉という技術です。これを応用すると例えば、ほとんど平坦なガラス板の僅かな凹凸をナノメートルの精度で測定することができます。その中でも特に、光の波長を僅かに変化させながら測定を行う、波長走査干渉法の実用化研究を行っています。
光干渉による縞模様

ホログラフィ計測、スペックル計測

光計測は鏡やレンズなどの光学部品の検査だけでなく、金型、機械加工部品やコンクリート構造物など幅広いモノの検査にも利用できます。これらを実現するホログラフィ計測、スペックル計測などの実用化研究にも取り組んでいます。
スピーカの振動計測

レーザ駆動型小型中性子源の開発

極めて強いレーザ光を物に照射すると、物質の中の電子がレーザ光に叩き出される現象が生じます。そして、電子が叩き出された後の物質は電気的に不安定な状態となり、飛び出した電子を追いかけるようにイオンビームが発生します。この現象を応用することで、中性子ビームを発生させることも可能です。中性子は物質をすり抜ける能力が極めて高く、透視による非破壊検査への利用が期待されています。レーザを用いた中性子発生により、小型で安全な中性子源の実現が期待されています。この実現に向けた、イオンビーム発生の高効率化や、レーザ中性子連続発生技術、システム化技術などの研究に取り組んでいます。

レーザの応用で、今まで見ることができなかった、物の中身を探索する技術の実現を目指し、光の応用範囲を拡大する取り組みを行っています。
超高強度レーザ照射
中性子連続発生用レーザ照射ターゲット

社会貢献活動

1)広域の産学連携による感性の可視化に基づくイノベーション創出(COI STREAM)

人の感性を計測し、それを活用することによるイノベーション創出を目指した、広域の産学連携プロジェクト(COI STREAM)に参加しました。

2)A-SAP 産学官金連携イノベーション推進事業

地域のベンチャー企業が抱える課題を、光技術を活用して解決するプロジェクトにて、プロジェクトリーダーとして課題解決に当たり、試作機開発・技術実証などを行いました。

3)地域の小・中学校への出張授業

光の秘密を伝え、より多くの子供たちに光技術に興味を持ってもらう取り組みを行っております。

キーワード

  • 干渉計測 波長走査干渉、位相シフト法、シアリング干渉、透明多層構造の形状測定、 ナノメートル形状測定、放物面鏡の測定
  • ホログラフィ、スペックル計測 粗面の計測、振動計測、変形・変位計測
  • 光システム化技術 光・電子計測器設計、中性子計測、レーザ中性子発生
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