教授 増田 靖
増田 靖
Yasushi Masuda
未来を発見=構成する組織の研究=マネジメントの実践
教授 / 博士(経済学)埼玉大学
専門分野
- 経営学
- 言語経営学(「語り」による経営)
- 動機づけ論 ・組織論
- 組織学習論
- 事業開発論
対応事項
- 経営指導
- 組織開発・変革指導
- 経営戦略・計画立案指導
- 人材育成指導
- 経営管理者育成指導
- 経営者(後継者)育成指導
日本人の日本語による世界のためのイノベーションの起こし方
日本は、戦後の焼け野原から高度経済成長を実現して、「奇跡の復興」と呼ばれ、さらにジャパン・アズ・ナンバーワンにまで到達しました。そこには、欧米の経営方法とは異なる日本的経営と日本的イノベーションがありました。言語経営学の視点から、その成功要因として、「母語」である日本語に注目します。また、バブル崩壊以後の失われた30年における閉塞感は、日本語能力の低下に起因していると考えます。明治維新を遂行し、戦後の復興を成し遂げた、先輩方が日本語を習得した環境と、戦後の日本語習得環境を比較しますと、大幅に劣化していることがわかります。
そこで、本研究=実践では、まず、言語の感性・思考・行動に対する影響と効果とともに、他の言語と異なる日本語の特性を明らかにします。つぎに日本語話者が実現してきたイノベーションの起こし方を究明します。さらに、劣化した日本語習得環境において、年少者向けには、母語としての日本語の望ましい習得方法を、成人向けには、修復方法を構築します。そして、その理論と実践プログラムを、学校、民間企業等の各種団体・組織、地域社会に提供します。目指すところは、日本語話者の感性による、SDGsが求められている21世紀の世界のために必要不可欠なイノベーションを起こし、平和で安定した経済社会を世界で実現することです。
「語り」による経営(動機づけ、組織開発・変革、戦略)
研究の方法としては「ことば(言語)」が中心になります。ことばは行為遂行力を持つ、つまり言語は行為であるとする言語行為論を基底に、「語り」という言語行為を精緻化し、現場研究=マネジメントの方法として定式化しました。この「語り」論を用いて、これまで動機づけから、製品開発、事業開発、あるいは戦略的経営の現場を調査・研究し、同時に実務者として現場でマネジメントも実践してきました。
この理論を活かして、21世紀の日本を支える新しい産業分野における製品開発・事業開発・起業を目指す学生の志の成就を支援するとともに、「光産業創成」の現象を一緒に感得=体現したいと考えています。
この理論を活かして、21世紀の日本を支える新しい産業分野における製品開発・事業開発・起業を目指す学生の志の成就を支援するとともに、「光産業創成」の現象を一緒に感得=体現したいと考えています。
主要な学術研究
1)日本人の日本語による世界のための哲学・社会科学の理論・方法論の構築と実践
日本は、明治以降、欧米から近代科学とその方法論を導入し、それまでの、特に江戸時代に熟成した日本的学問と方法論および東洋の学問と方法論をほとんど否定してきました。そして、近代の論理が通用した20世紀までは、近代の生みの親である欧米に引けを取らず、近代を実現するのに貢献してきました。しかし20世紀末から、とくに21世紀に入ってからは、もはや近代の論理は通用しなくなってきています。そこで、本研究では、150年以上忘れ去られた、日本的学問と方法論および東洋の学問と方法論を再考し、日本語による哲学・社会科学の理論・方法論の構築を目指します。さらに、それらを、世界平和のための社会的実践のモデルとして社会実装化を目指します。
2)言語経営学(動機づけ、組織開発・変革、戦略への現場実践型アプローチ)の理論・方法論の構築と実践
言語経営学では、人間存在の根底にある言語の意味と役割を探究し、人間が生きることそのものである「経営活動」の現場において、理論・方法論の提供を目指しています。とくに、「語り」という言語行為に着目し、それを用いた実践的方法を、動機づけ、組織開発・変革、戦略の各マネジメント現場へ提供していきます。同時に、そうした実践の現場を、実務者とともに研究し、実践=研究のサイクルを実現していきます。
3)エドロジー(持続可能な社会モデル学)の理論・方法論の構築と実践
江戸は、戦後の「奇跡の復興」をはるかに上回る、世界史上で「最大の奇跡」と呼べるくらいの「時代」を築きました。265年間に及ぶ平和社会、生産性の向上を実現した定常経済、完全ゼロエミッション、日本の文化・伝統の熟成、日本的学問の開花、文化・芸術の担い手としての市民(町民・商人)の出現など、21世紀の世界が希求するSDGsの世界をすでに実現していたといえます。もちろん、現代社会では引き継ぎたくない事項も少なからずありますが、それらを差し引いても、江戸は世界史上で理想的な「時代」を現出していたことは確かです。エドロジーでは、そうした江戸の「奇跡」に、現代の知恵と技術を加えて、21世紀の世界に、より精緻化した理論と方法論を提供することを目的としています。
キーワード
- 経営学
- 言語経営学(「語り」による経営)
- 動機づけ論 ・組織論
- 組織学習論
- 事業開発論