講師紹介

レーザー加工の基礎

レーザー加工技術概要

光産業創成大学院大学

長谷川 和男

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レーザー光学、加工原理、装置構成、応用事例
 本講義「レーザー加工の基礎」は、ものづくり企業に所属する中堅技術者を主な対象とし、レーザー加工技術を自社で理解し、実務へ持ち帰って活用できる人材の育成を目的とした講座である。
 本講座は全19日間にわたるカリキュラムの初回に位置づけられ、レーザー加工技術全体を俯瞰する導入講義として構成されている。

 講義では、レーザーとは何かという基本概念から出発し、レーザー光の特徴、発振原理、装置構成、ビーム特性や偏光、光ファイバー伝送といった光学的基礎を整理する。その上で、レーザー加工の歴史的発展、代表的な加工方式(切断・溶接・穴あけ等)と加工メカニズム、さらに産業分野ごとの応用事例を紹介する。
 加えて、加工品質に影響を与えるパワー密度や相互作用時間、ノズルやアシストガスの役割など、現場での理解に直結する要点を解説し、以降の専門講義への共通基盤を築くことを狙いとする。

光・レーザーと物質の相互作用

光産業創成大学院大学

藤田 和久

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光吸収・反射、物質変化、電磁波、熱反応、プラズマ反応
 本講義では、材料に光・レーザーが照射された際に生じる光吸収・反射といった基礎的な相互作用を出発点として、光と物質の関係を物理的・工学的観点から体系的に解説する。
 電磁波としての光の性質を踏まえ、エネルギーが物質内部へどのように伝達され、電子励起、格子振動、熱反応、さらにはプラズマ生成へと至るのかを段階的に整理する。

 これらの基礎理解を通じて、レーザー加工における溶融、蒸発、除去、改質といった物質変化の本質を明確にし、各種レーザープロセシングを支える基本原理と主要な加工支配因子を理解することを目的とする。以降の加工技術・応用講義を理解するための理論的基盤を与える導入講義として位置づけられる。
 

レーザー光源総論:短パルスレーザー

 SOCIO

浅川 雄一

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産業用レーザー(CO2、YAG、半導体、ファイバー等)、発振原理
超短パルス・CWレーザー、波長選択、材料加工
 レーザー光は高い単色性と指向性を併せ持ち、極めて短時間かつ局所的にエネルギーを集中できる光源として、切断・溶接・微細加工など多様な産業分野で利用されている。
 本講義では、CO₂レーザー、Nd:YAGレーザーをはじめとする代表的な産業用レーザー光源を俯瞰し、それぞれの発振原理、波長特性、連続発振(CW)およびパルス発振の違いを体系的に整理する。  

 さらに、レーザー波長や発振形態の選択が材料の吸収特性や加工現象に与える影響を解説し、適切な光源選定の考え方を示す。加えて、近年急速に応用が広がる短パルス・超短パルスレーザーについて、その時間幅、ピークパワー、熱影響の低減といった特性を取り上げ、従来レーザー加工との違いや新たな加工可能性を概観する。

レーザー光源総論:高出力レーザー

大阪大学 接合科学研究所

佐藤 雄二

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高出力レーザー(ファイバー、ディスク、半導体レーザー)
ビーム特性、加工物理、産業応用
 本講義では、ファイバレーザー、ディスクレーザー、半導体レーザーを中心とした高出力レーザー光源について、方式の違いを横断的に整理し、それぞれのビーム特性や出力スケーリングの考え方が加工現象や加工品質にどのように影響するかを解説する。
 
 単なる装置仕様の比較にとどまらず、ビーム品質、集光性、出力安定性、伝送性といった特性が、溶接・切断・表面改質などの加工物理とどのように結び付くかを理解することを重視する。
 さらに、各レーザー方式が産業用途で選択されてきた背景や、適用分野の違いを具体例とともに紹介し、高出力レーザーを「なぜその加工に使うのか」という視点から整理する。以降の加工技術・装置選定を考える上での基礎となる思考軸を提供する導入講義である。

光学系・光学設計

シグマ光機株式会社

紫藤 昭博

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レーザー集光、光学設計、加工ヘッド、光軸調整、集光点監視作
 本講義では、溶接・切断・微細加工などの代表的なレーザー加工事例を題材に、レーザー集光照射に用いられる光学系と光学設計の基礎を解説する。

 fθレンズや対物レンズ、ARコーティングを施した各種光学素子について、その役割や選定の考え方を整理するとともに、加工ヘッドにおける光軸調整や集光条件の違いが加工結果に与える影響を具体的に示す。

 講義では、実際の光学部品や加工ヘッドを用いて、レーザーポインター等を用いた簡易デモや集光・結像の可視化を交えながら説明することで、受講生が光学系の動作を直感的に理解できる構成とする。さらに、集光点監視光学系などのデモ機実演を通じて、加工状態の把握や安定加工に向けた実装技術を 紹介し、現場での応用を意識した理解を深める導入講義とする。

短パルスレーザー加工

公益財団法人レーザー技術総合研究所

藤田 雅之

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短パルスレーザー、パルス発生原理、光吸収機構、パルス幅依存性、微細加工
 本講義では、短パルスレーザーを用いた微細加工を対象に、パルス光の発生原理とレーザー光と物質の相互作用を基礎から解説する。レーザー加工を機械加工における工具選択になぞらえ、波長、パルス幅、照射条件の違いが加工現象や加工品質にどのように影響するかを体系的に整理する。

 特に、ナノ秒からピコ秒、フェムト秒に至るパルス幅の違いに着目し、光吸収機構、エネルギー緩和過程、プラズマ生成、アブレーション挙動がどのように変化するかを物理的視点から説明する。
 これにより、熱影響層の低減や高精度・高品質加工が可能となる理由を理解し、加工目的に応じた短パルスレーザー選定と条件設定のための思考軸を提供する導入講義である。
 

レーザー加工実習1

実施場所

エンシュウ株式会社

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レーザー加工機を用いた現地実習 切断・溶接・焼入れ・溶着
 レーザー加工機を製作・販売するメーカーであるエンシュウ株式会社を訪問し、実際のレーザー加工機システムおよび加工デモを通じて、レーザー加工技術を現場で体感する実習を行う。受講生は複数の班に分かれ、専用加工機が設置されたエリアを巡りながら、レーザー溶接、レーザー焼入れなどの加工システムについて、その稼働環境や加工状況を間近で見学する。
 特に、高い集光性に依らない高出力半導体レーザーを用いた金属表面の焼入れ加工や、ファイバレーザーを用いた円筒部材の突き合わせ溶接を題材に、加工原理の解説、デモ加工、質疑応答を少人数グループで行う。あわせて、加工試料の作製や観察が行われる様子(実機または映像による)にも触れ、講義で学んだ知識を実加工と結び付けて理解を深める。

加工光学系

住友電気工業株式会社

岡田 健

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レーザー光学系、ビーム制御、集光特性、熱レンズ効果、高機能光学素子
 本講義では、レーザー加工機に用いられる加工光学系に着目し、集光・結像・走査光学系の基本構成とビーム制御の考え方を解説する。ビームの波長、ビーム品質、ビーム径、光学素子の焦点距離など各種パラメータが加工点での集光特性に与える影響に関して重要ポイントを整理する。

 また、大出力レーザーにおける実務的な問題となる熱レンズ効果についてメカニズムや対策を提示する。
後半では、DOEやFθレンズといった高機能光学素子の原理、仕様、注意点を説明し、それらがレーザー加工に適用された事例を紹介する。
 この講義を通して、光学系設計・選定の基礎的視点と、高機能光学素子を導入するための知識を養い、各自の目的とするレーザー加工を最短距離で実現する一助とする。


 

レーザー光の制御技術

浜松ホトニクス株式会社

伊藤 晴康

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空間パターン制御・波面制御・空間光変調器
 レーザー加工におけるビーム形状制御を実現する光変調素子として、空間光変調器(SLM)、特にLCOS-SLMの原理と応用について解説する。

 回折および干渉の基礎原理を踏まえ、位相型SLMによるビーム整形の考え方を整理するとともに、DOEなどの固定光学素子との違いを明確にし、ビーム形状をアダプティブに変更できる特長や、光学系の収差・歪み補正が可能である点に着目する。

 講義では、レーザー加工における一般的な応用事例を紹介するとともに、LCOS-SLMがビデオレートで動作する様子を示す動体アニメーションなどのデモ実演を通じて、リアルタイム制御の有効性を視覚的に示す。レーザー加工の柔軟性と付加価値を高めるビーム制御技術として、SLMを実装技術の観点から理解することを目的とする。
 

レーザー溶接の基礎

大阪大学 名誉教授
株式会社ナ・デックス

片山 聖二

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スポット溶接,ビード溶接,レーザー溶接現象,レーザー誘起プルーム,キーホール挙動,溶融池内の湯流れ,スパッタ,ポロシティ,レーザー溶接実用化例
 本講義では、レーザー溶接の基本原理と溶接現象について、アーク溶接などの他の溶融溶接法との比較を通じて体系的に解説する。スポット溶接およびビード溶接における溶込み特性を出発点として、レーザー溶接特有のキーホール形成とその動的挙動、溶融池内の湯流れ、レーザー誘起プルームとの相互作用を整理する。

 さらに、スパッタやポロシティ、割れといった代表的な溶接欠陥の発生機構と、その抑制・制御の考え方を物理現象に基づいて解説する。加えて、金属材料特性や溶接部ミクロ組織との関係、異材接合を含む実用化事例を紹介し、レーザー溶接における品質支配因子を理解するための基礎的視点を提供する講義である。

各種金属の溶接特性

大阪大学 名誉教授
株式会社ナ・デックス

片山 聖二

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各種金属の物理的特性、各種金属の溶接性、亜鉛めっき鋼、高張力鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅、凝固割れ
 各種金属材料の特徴と物理的特性、これらと溶接の基本現象や溶接時の特徴との関連性などについて概説する。

 また、金属材料レーザー溶接部のミクロ組織的特徴と硬さ分布、気泡やポロシティの発生機構と防止策、銅のレーザー溶接性の現状などについて紹介する。

 さらに、各種金属材料の異材接合において、ミクロ組織や金属間化合物の生成、引張せん断強さによる評価などを紹介する。

金属材料の基礎/加熱プロセス

大同大学

田中 浩司

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金属材料基礎、結晶構造、相変態、平衡状態図、レーザー焼入れ
 本講義では、レーザー焼入れやレーザー加熱プロセスを理解するために必要となる金属材料の基礎について解説する。金属の結晶構造や合金元素の役割、平衡状態図を基礎として、加熱・冷却過程における拡散変態およびマルテンサイト変態の機構を整理する。特に、レーザーによる局所かつ急速な加熱・冷却が金属組織に及ぼす影響に着目し、硬化層形成や組織不均一が生じる要因をミクロな視点から説明する。

 加えて、近年関心が高まっている異種合金・異種材料接合についても取り上げ、例えば Al 中への Fe や Cu の混入が割れや脆化を招きやすい理由など、材料学的な課題とその背景を概説する。レーザー加工特有の熱履歴を踏まえ、他工法との違いを理解するための導入講義として位置づける。
 

半導体レーザー

(内諾済み・確定次第更新いたします)

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半導体レーザー、熱処理加工、樹脂溶着、レーザー焼入れ、産業応用
 本講義では、高出力半導体レーザー(LD)を用いた熱処理・加工技術について、その基礎原理から産業応用までを俯瞰的に解説する。半導体レーザーの発振原理や波長特性、出力制御性といった基礎を踏まえ、他のレーザー光源と比較した際の特長や制約を整理する。

 さらに、レーザー樹脂溶着、レーザー焼入れ、乾燥、はんだ付けなどの代表的な熱加工プロセスを取り上げ、材料特性や入熱分布、加熱速度との関係を具体的に説明する。ビーム形状やエネルギー密度を柔軟に制御できる半導体レーザーの特性が、均一加熱や低歪み加工にどのように寄与しているかを理解することを重視する。特定の工法に限定せず、半導体レーザーが産業用エネルギー源として果たす役割と、今後の適用可能性を体系的に捉えるための導入講義として位置づける。

レーザー設備

三菱電機株式会社

荻田 平

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レーザー加工設備、仕様決定、設備設計、自動化・高精度化、システム構成
本講義では、レーザー加工装置を単なるレーザー機器ではなく、「工作機械・生産設備」として捉え、設備導入の背景や目的、仕様決定の考え方、装置全体の基本構成を俯瞰的に解説する。

レーザー切断機を主な題材としながら、加工ヘッド、駆動系、制御系、PLC を含むシステム構成に着目し、自動化・高精度化・高効率化がどのように実現されているかを整理する。

さらに、装置性能を左右する仕様の考え方や、加工条件と設備構成の関係についても触れ、設備を「導入する」「使う」だけでなく「理解して使いこなす」ための視点を提供する。レーザー加工設備を設計思想から捉え直し、以降の運用・保全・高度活用につなげるための導入講義として位置づける。
 

レーザーシミュレーション1

内諾済み、確定次第更新いたします

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数値シミュレーション基礎、支配方程式、有限差分法、レーザー加工解析、適応事例
 本講義では、レーザー加工プロセスを理解・予測するために不可欠となる数値シミュレーションの基礎と考え方を解説する。数値計算を用いる意義と限界を明確にした上で、実際の加工現象をどのようにモデル化し、支配方程式として記述するか、その基本的な思考手順を整理する。

 さらに、有限差分法や有限体積法といった代表的な離散化手法の考え方を紹介し、レーザー溶接、切断、金属AM、CFRP切断などを対象とした解析事例を通じて、計算結果がどのように得られ、どのように解釈されるべきかを示す。実験結果との比較を通じて、シミュレーションを「当てる」ためではなく、「理解を深め、設計や条件検討に活かす」ための実務的な活用方法を学ぶ導入講義である。

レーザーシミュレーション2 実習

光産業創成大学院大学

長谷川 和男

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有限差分法、入熱モデル、ガウシアン分布、トップハット分布、Excel VBA
 本講義は、簡易シミュレータを用いた実習を通じて、レーザー入熱に伴う温度上昇および温度分布形成の理解を深めることを目的とする。有限差分法に基づく熱伝導モデルを用い、ガウシアン分布、トップハットライク分布やリング状分布といったビーム形状の違いが温度分布や最高温度に与える影響を定量的に確認する。

 さらに、固定照射と走査照射の等価性や、走査速度・入熱条件の違いが熱影響範囲に及ぼす効果を、計算結果を通じて体験的に学ぶ。演習では Excel VBA によるシミュレーション結果と、実際のレーザー加工事例を示した動画を対比し、モデルと現象の対応関係を考察する。レーザー加工現象を感覚的理解にとどめず、数値として捉えるための基礎的な「定量感覚」を養う実習講義である。

レーザー加工技術の最新動向概説

光産業創成大学院大学

長谷川 和男 

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アドバンスレーザー加工に関する動向説明
 本講義「レーザー加工技術の最新動向概説」では、レーザー加工を単なる熱加工としてではなく、エネルギー密度と時間スケールを高度に制御するデジタル製造技術として捉え、その最新動向を物理モデルの視点から俯瞰的に解説する。
 レーザーのエネルギー密度や照射条件、ビーム強度分布の違いによって支配的な加工現象がどのように変化するかを整理し、切断・溶接・表面処理・レーザークリーニングなどの加工事例を共通の物理的枠組みで説明する。

 特に、任意ビーム強度分布を用いた加工特性の向上に着目し、溶込み形状の制御、スパッタ抑制、熱影響低減などがどのように実現されるかを解説する。

 さらに、レーザーさび取りにおいて表面温度上昇の加速度が加工結果を左右する点など、現場での経験則を物理的に読み解く視点を示す。
 加えて、高速度カメラ計測やOCTによる加工現象の可視化、得られたデータを活用したビーム制御やIoT・AIによるプロセスの知能化にも触れ、レーザー加工技術の現在地と今後の方向性を総括する。

レーザー加工実習2 A~C

静岡県工業研究所

浜松工業技術支援センター 光科職員

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レーザー樹脂溶着・強度評価 樹脂切断・彫刻加工+AM装置見学
短パルスレーザー加工(内部加工・表面処理・穴開け加工)
 本講義「レーザー加工実習2」では、これまでの講義で学んだレーザーおよびレーザー加工技術の理解をさらに深めることを目的として、実加工および評価を含む実習を行う。

 静岡県工業技術研究所浜松工業技術支援センターにおいて、CWレーザーを用いた樹脂材料の溶着加工を実施し、融着部の観察や引張試験等による融着強度評価を通じて、加工条件と接合品質との関係を学ぶ。加えて、短パルスレーザー(ナノ秒・ピコ秒レーザー等)を用いた微細加工実習として、樹脂やガラスを対象とした切断、彫刻、表面処理、内部加工を行い、熱影響を抑えた加工特性や微細構造形成の原理を理解する。
 さらに、材料表面に形成されるマイクロ・ナノスケール構造が、濡れ性制御や接着性・離型性の向上といった機能発現につながる考え方についても紹介する。
 

超短パルスレーザー表面処理

慶應義塾大学

閻 紀旺

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超短パルスレーザー,微細構造形成,LIPSS,機能性表面制御
レーザーアブレーション、テクスチャリング、機能性発現等
 本講義では、ナノ秒・ピコ秒・フェムト秒レーザーを用いた表面処理技術に着目し、レーザーアブレーションおよびテクスチャリングの基礎原理から応用までを体系的に解説する。特に、超短パルスレーザー照射によって形成される微細構造や LIPSS(Laser-Induced Periodic Surface Structures)に注目し、その形成機構と加工条件との関係を整理する。

 さらに、こうした微細構造が濡れ性制御、離型性向上、摩擦特性の制御などの機能性発現につながる考え方を示し、表面改質技術としての意義を明確にする。金属、セラミックス、半導体材料を対象とした具体的な適用事例を通じて、超短パルスレーザー表面処理が持つ可能性と設計指針を理解するための導入講義である。

各種レーザー加工技術

レーザー切断1,2

愛知工業大学
(元 三菱電機株式会社)

金岡 優

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レーザー切断原理、加工不良と対策、最新レーザー切断機能
 本講義では、量産加工分野で広く用いられているレーザー切断技術について、軟鋼およびステンレス鋼を主な対象として、その切断原理と加工メカニズムを体系的に解説する。レーザー光の吸収、材料の加熱・溶融、アシストガスによる溶融物除去といった基本現象を整理した上で、切断速度、出力、ガス条件などの加工パラメータが切断品質に与える影響を説明する。

 さらに、ドロス付着、切断面粗さ、焼け、未貫通といった代表的な加工不良を取り上げ、その発生要因と現場で有効な対策を具体的に示す。

AM・3Dプリンタ1:アラカルト

愛知産業株式会社

木寺 正晃

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AM技術概要、SLM・LMDと材料、EBM・EBAM・WAAMとの比較
 本講義では、近年急速に発展し、ものづくりの在り方を大きく変えつつある金属AM(Additive Manufacturing)技術について、主要方式を中心に体系的な基礎理解を目的とする。SLM(粉末床溶融結合)やLMD(指向性エネルギー堆積)を軸に、EBAM、WAAMといった各種金属積層造形方式について、その原理、使用材料、造形特性、適用分野を比較しながら整理する。

 さらに、造形プロセスそのものだけでなく、粉末・ワイヤ材料特性、造形条件、後処理(熱処理・機械加工)や評価技術など、装置技術の進展とともに重要性が高まる前後工程にも触れる。金属3Dプリンタを単なる造形装置としてではなく、材料・プロセス・設計が一体となった製造技術として捉えるための導入講義である。
 

AM・3Dプリンタ2:事業展開

TKエンジニアリング

天谷 浩一

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レーザーピーニング・レーザーフォーミング、塑性変形、残留圧縮応力、疲労強度、耐腐食性、金型
AM技術を用いた事業展開の仕方について

レーザー加工の安全1、2

近畿大学理工学部・元教授

橋新 裕一

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安全・安全対策の基本、安全基準と規制、事例説明
 レーザーは光の一種であり、光は電磁波の一種でもある。太陽光や電灯などの光と比べて、レーザーは次のような特徴を持つ。単色性に優れ、指向性・平行性が極めてよく、高出力性・高集光性を持ち、干渉性に優れている。これらの特徴を十分に理解することが、レーザーを知ることになる。太陽光や電灯の光を微弱な光とすれば、レーザーは高強度な光と云える。したがって、高強度な光と物質との相互作用を考慮する必要がある。

 レーザーの照射形態には連続発振(CW)型とパルス発振型がある。パワー[W]は単位時間あたりのエネルギー[J]である。したがって、パワーと照射時間の積がエネルギーとなる。同じエネルギーでも、短時間で高強度パワーを照射する場合と、長時間で低強度パワーを照射する場合とでは物質に与える影響が異なる。前者は熱影響層が薄く、後者は厚くなる。

 近赤外線領域のレーザーは最も危険な部類に入る。目に見えない光でありながら、眼に入れば、角膜、レンズ(水晶体)、硝子体を透過し、網膜で吸収される。一度露光されれば、網膜損傷・出血を招き、視機能が失われる。

 したがって、作業者のみならず、周辺の関係者全員が安全(保護)めがねを装着しておくことが必須である。金属などの反射物や可燃物はできうる限り現場から遠ざける。使用するレーザーの機種(波長、照射形態)を十分に理解し、予備実験を行っておくことは極めて重要である。安全・安心を確保できれば、レーザー加工は有効な加工技術である。

レーザーセンシング:基礎

光産業創成大学院大学

中村 重幸

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カメラ計測技術・画像処理技術
 レーザー加工プロセスを理解・制御するために不可欠なカメラ計測技術および画像処理技術の基礎について解説する。レーザー加工は高速かつ局所的な現象を伴うため、加工状態を適切に把握するセンシング技術が、品質安定化や自動化の鍵となる。

 本講義ではまず、レーザー加工センシングの重要性と背景を整理し、計測・認識・判断・フィードバックというセンシングの主要な機能について概説する。続いて、レーザー加工に求められるカメラ性能(時間分解能、空間分解能、感度、同期性など)の全体像を示し、最新の計測技術動向と実用化事例を紹介する。

 特に、SPADsを用いたLiDAR技術や、ロボットによるレーザー加工におけるカメラフィードバック制御の考え方に触れ、レーザー加工の知能化に向けた基礎的視点を提供する。導入戦略や将来展望も含め、実装を見据えたレーザーセンシング技術の理解を深めることを目的とする。

レーザーセンシング:応用

光産業創成大学院大学

石井 勝弘

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OCT、高速度カメラ加工現象計測、衝撃波計測
 本講義では、レーザー加工プロセスにおいて「加工中に何が起きているのか」を把握するためのレーザーセンシング技術と、その応用について解説する。レーザー加工は微細かつ高速な熱・物質移動現象を伴うため、加工品質の理解や制御には、時間・空間分解能の高い光計測技術が不可欠である。講義ではまず、OCT(光干渉断層計)の原理を解説し、光の干渉を利用して加工中の表面形状やキーホール深さをリアルタイムに計測する手法と、レーザー加工への応用事例を紹介する。

 さらに、高速度カメラを用いた加工現象計測として、溶融池挙動、スパッタの飛散、蒸発反力などを可視化し、加工欠陥発生メカニズムを物理的に理解する方法を解説する。加えて、加工時に発生する衝撃波の計測事例を通じて、プラズマや圧力波が加工品質に与える影響を定量的に評価する考え方を示す。これらのセンシング技術を組み合わせることで、レーザー加工プロセスの理解を深め、インプロセスモニタリングや知能化レーザー加工システムへの展開を考えるための基礎的視点を提供する。

グループディスッション
ケーススタディ1A,B 実習

監修 光産業創成大学院大学

  長谷川 和男

講師  愛知工業大学

   (元 三菱電機株式会社)

  金岡 優

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工法比較、レーザー切断、タレットパンチプレス、コスト試算、導入判断
 本講義は、レーザー切断とタレットパンチプレスを題材としたケーススタディを通じて、レーザー加工法の利点と適用範囲を実践的に検討するグループディスカッション型の実習である。加工精度や自由度、生産性、段取り性、コスト構造といった複数の観点から両工法を比較し、どのような条件下でレーザー加工を選択することが合理的であるかを議論する。
 各グループでは、与えられた条件を基に工法選定の考え方や導入判断の根拠を整理し、その結果をポスターとしてまとめる。最終的にポスターセッション形式で発表と質疑応答を行い、技術的理解に加えて、意思決定プロセスを他者に説明する力や議論を通じた合意形成能力を養うことを目的とする。
 

レーザーロボット溶接の高度化

芝原工業株式会社

芝原 利幸

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レーザーロボット溶接、三次元計測、ロボット制御、システム実装、高精度自動化
 本講義は、レーザー切断とタレットパンチプレスを題材としたケーススタディを通じて、レーザー加工法の利点と適用範囲を実践的に検討するグループディスカッション型の実習である。加工精度や自由度、生産性、段取り性、コスト構造といった複数の観点から両工法を比較し、どのような条件下でレーザー加工を選択することが合理的であるかを議論する。
 各グループでは、与えられた条件を基に工法選定の考え方や導入判断の根拠を整理し、その結果をポスターとしてまとめる。最終的にポスターセッション形式で発表と質疑応答を行い、技術的理解に加えて、意思決定プロセスを他者に説明する力や議論を通じた合意形成能力を養うことを目的とする。

ものづくりと機械学習

神奈川県立産業技術総合研究所

森 清和

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ものづくり×AI、IoTデータ、教師あり学習、加工条件予測、品質判定
 本講義では、ものづくり分野における機械学習活用の基礎について、レーザー加工を代表例として解説する。IoT 技術の進展により取得可能となった加工条件データや加工中データを前提に、教師あり学習を中心とした機械学習の基本的な考え方を整理する。

 具体的には、回帰や分類といった手法を用いて、加工条件から加工品質を予測するアプローチや、目標とする品質を満たす条件を探索する考え方、さらに加工中データを用いた品質判定や不良要因推定の手法を紹介する。
 
 アルゴリズムの詳細に踏み込みすぎることなく、現場での適用を意識したデータの扱い方や注意点を解説し、機械学習を「使える技術」として理解するための思考軸を提供する導入講義である。

レーザー加工実習 3A~C

光産業創成大学院大学

伊藤 晴康
沖原 伸一朗

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レーザー光の制御技術・空間光変調器
レーザー加工計測(高速度カメラ・温度計測)、サンプル評価観察
レーザー安全
・LCOS-SLM(空間光変調器)および実習で使用するデバイス紹介
・レーザー加工計測(高速度カメラ撮影、温度計測)、サンプル評価・観察

グループディスッション
ケーススタディ2A、B 実習 

監修 光産業創成大学院大学

   長谷川 和男

講師 スマートレーザーエンジニアリング

   若林 浩次

   IHI株式会社

   杉野 友洋

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レーザー設備 産業分野動向 事業化構想 価値創造
 本講義は、レーザー設備およびレーザー加工技術のこれまでの発展と現状を俯瞰するとともに、今後の産業応用および事業化の可能性について考察・議論することを目的とする。講義前半では、二名の講師より、直近10~20年間にわたるレーザー加工分野の変遷と分析を踏まえ、レーザー加工が研究開発段階から生産技術フェーズへと移行し、製造現場を支える基盤技術として位置づけられてきた経緯を整理する。あわせて、加工性能の高度化や品質安定化を追求する中で、レーザー加工装置が用途特化型の専用機へと進化していく必然性について解説する。
 さらに、21世紀初頭の量子技術やAIが加わる新たな技術潮流の中で、レーザー技術がどのような役割を果たし得るのかを展望するとともに、インフラ産業を含め、産業分野ごとに異なる価値創出のあり方について俯瞰する。
 
 後半では、少人数グループに分かれ、どの産業分野が今後の攻めどころとなり得るか、どのレーザー技術を用いて既存工法をどのように置き換えるか、あるいは新たな価値創出をどのように実現できるかについて議論する。

 簡単なポスター作成と発表を通じて考えを共有し、総合討議により、レーザー技術を事業として成立させるための視点と可能性を受講生自身が掴むことを目指す。こうした議論の対象として、技術進化の速度が速く高度な専用化が進む半導体産業と、信頼性や現場適応力が重視されるインフラ産業という、対照的な特性を持つ分野を取り上げ、レーザー加工の価値の出し方を比較・検討する。

プロセスモニタリング

Laser Technology Fountain

門屋 輝慶

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新規加工システム開発、プロセスモニタリング、IoT、事業化検討、OCT
レーザプロセスにおけるIoTやAI技術の進展にともない、プロセスモニタリングはキーテクノロジーになっている。そのため、レーザ産業において、このプロセスモニタリング技術は日進月歩である。

ここでは、モニタリング技術を、そのモニタリング機器と応用分野との関係でまとめて紹介する。

AIを活用したレーザー加工実装

東京大学物性研究所

中里 智治

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AIを活用したレーザー加工、レーザー加工データの体系的な蓄積、AI分析技術を活用した加工高度化
 本講義では、TACMIコンソーシアムの取り組みを通じて推進されている、レーザー加工データの体系的な蓄積とAI分析技術を活用した加工高度化の考え方について解説する。

 レーザー加工は多くのパラメータが加工品質に影響する一方で、現場に蓄積された加工データが十分に活用されていないケースも少なくない。本講義では、良質な加工データをどのように収集・整理し、AI技術によって加工条件探索、品質安定化、歩留まり向上などに結び付けていくのかについて、具体的な事例を交えながら紹介する。

 レーザー加工を実務で扱う中小企業の技術者を主な受講対象とし、AIの専門知識を前提とせず、現場目線で理解できる構成とする。AIを「特別な技術」としてではなく、レーザー加工を支援する実装技術として捉え、今後のものづくりにおける活用可能性を共有することを目的とした講義である。
 

グループディスッション
ケーススタディ3A,B 実習

監修 光産業創成大学院大学

  長谷川 和男

講師  愛知工業大学

   (元 三菱電機株式会社)

  金岡 優

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工法転換、レーザー加工装置、導入判断、コスト試算、自動化システム
  本講義は、レーザー加工を用いた工法転換を題材に、製造現場における設備導入と意思決定を体験的に学ぶグループディスカッション型のケーススタディ実習である。

  レーザー加工の基本特性をあらためて整理した上で、CO₂レーザーとファイバレーザーの加工能力、運用条件、ランニングコストの違いを比較し、それぞれの方式が持つ利点と制約を定量的に検討する。さらに、装置価格差に加え、ストッカー等の自動化システム導入が生産性や人員配置、稼働率に与える影響についても議論する。

 各グループでは、コスト・品質・生産性の観点から導入判断の妥当性を整理し、技術的合理性と経営的視点を両立させた意思決定プロセスを学ぶ。レーザー加工導入を総合的に判断するための実践的講義である。
 

自動車産業における動向

日産自動車株式会社

濱口 裕司

KEYWORD

自動車産業動向、ユーザー視点、レーザー溶接、ハイパワーレーザー、欧州事例
 本講義では、自動車産業における電動化・知能化の進展を背景として、材料構成や車体・部品構造の変化がレーザー加工技術の適用にどのような影響を与えているかを解説する。
 
 レーザー光源の(開発者ではなく、)光源特性を理解し、それを製造工程や設備設計に活かして利用する立場のエンジニアの視点から、実際の適用状況を整理する点に特徴がある。従来の車体溶接や部品接合に加え、モーター、インバータ、バッテリー関連部品など新たな加工対象について、どのようなレーザーが選択され、どの特性が活用されているかを具体的に示す。
 
 講義では実際の加工・生産現場の映像資料を多く用い、設備構成や加工挙動を視覚的に理解することで、技術選択の背景や実装上の工夫への理解を深める。欧州事例を含む最新動向を通じて、自動車産業におけるレーザー加工活用の現在地と今後の方向性を考察する

産業応用

半導体レーザー加工の産業応用事例

レーザーライン株式会社

武田 晋

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半導体レーザー、青色レーザー、銅溶接、乾燥プロセス、輸送機器応用
 本講義では、加工用半導体レーザー(LD)の構造と発光特性を基礎として、産業分野における具体的な応用事例を通じてその実用性を解説する。
 小型・高効率・低消費電力といった半導体レーザーの特長を整理した上で、近年実用化が進む青色レーザーの登場により、銅など可視域で吸収率の高い材料への加工適用が拡大している背景を説明する。

 特に、銅溶接における入熱制御性や加工安定性、乾燥プロセスにおけるエネルギー効率の向上といった具体例を取り上げ、レーザー特性と加工現象の関係を明確にする。輸送機器分野や半導体関連プロセスを中心とした実装事例を通じて、半導体レーザー加工が量産工程において果たす役割と、今後の応用展開を俯瞰的に理解するための講義である。

レーザークリーニング

光産業創成大学院大学

藤田 和久

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レーザークリーニング、CW・パルスレーザー、除去原理、安全対策・標準化
 本講義では、レーザークリーニング技術について、その除去原理と方式の違いを基礎から解説する。高出力レーザーを用いた先行技術を中心に、CWレーザーおよびパルスレーザーの特性を整理し、さび、塗膜、油脂、各種汚染物の除去における適用範囲や加工メカニズムの違いを説明する。

 特に、被加工材への熱影響や表面改質との関係に着目し、加工条件選定の考え方を示す。さらに、実作業時に不可欠となるレーザー安全対策、粉じん・反射光対策、関連する標準化動向についても触れ、現場実装における留意点を整理する。加えて、レーザークリーニングをサービスや装置ビジネスとして成立させるための考え方にも言及し、技術と事業の両面から理解を深める講義である。

電気・電子産業における樹脂・半導体材料のレーザー微細加工

光産業創成大学院大学

日野 敦司

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レーザー微細加工、プラスチック材料、電子電気産業、UV・超短パルス
 本講義では、プラスチック材料を対象としたレーザー微細加工技術について、その技術的発展の経緯と産業応用を俯瞰的に解説する。UV パルスレーザーを用いたプリント基板の微細穴あけ加工を起点として、近年では超短パルスレーザーの実用化により、熱影響を抑えた高精度加工が可能となり、電子電気産業を中心に応用分野が大きく拡大してきた。

 本講義では、材料の光吸収特性や熱物性を踏まえ、プラスチック特有の加工挙動や加工窓の考え方を整理する。特にフレキシブルプリント基板の微細加工事例を通じて、加工品質と生産性を両立させるためのプロセス設計や量産技術として成立させる際の留意点を解説する。金属加工とは異なる視点から、レーザー微細加工技術の実装を理解するための講義である

半導体産業における動向

浜松ホトニクス株式会社

荻原 孝文

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半導体、レーザ、ステルスダイシング、LCOS-SLM(空間光変調器)
 本講義では、半導体メモリ市場の拡大とデバイスの高集積化・薄化要求を背景として、半導体製造工程におけるレーザー加工技術の進展を解説する。特にダイシング工程に着目し、従来の砥石切削方式から、内部加工型レーザダイシング(ステルスダイシング)へと技術転換が進んだ背景と、その加工原理を整理する。
 
 内部に改質層を形成することで高品質かつ低損傷な分離を可能とした点や、量産適用を実現した装置・プロセス技術の工夫についても解説する。
 さらに、LCOS-SLM を用いた空間的ビーム制御技術に注目し、加工自由度や生産性向上への寄与を紹介する。半導体製造においてレーザー加工が果たす役割と、今後の展開を俯瞰的に理解するための講義である。

レーザージョブショップの事業化事例

株式会社ナノプロセス

刀原 寛孝

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レーザージョブショップ、試作ビジネス、事業化視点
 本講義では、レーザージョブショップを運営する立場から、レーザー加工技術を事業として成立させるための考え方と実践例を解説する。レーザー加工の特長や強みを、切削や放電加工など他工法との比較の中で整理し、「競合は何か」「どの価値で選ばれるのか」という視点から、レーザー加工が有効となる場面を具体的に示す。

 特に、試作対応や加工条件探索といったジョブショップならではの業務を通じて、顧客ニーズと技術的強みをどのように結び付けているかを紹介する。実際の事業運営や受注事例を踏まえ、技術力を収益につなげるための考え方や意思決定のポイントを共有し、レーザー加工を軸とした事業化の現実を理解するための講義である。
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